イラスト素材を使うとき、フリー素材と書いてあるから安心……と思って画像を使用しているなんてことはありませんか?
実は、フリー素材のフリーの意味は決して自由に無料で何にでも使っていいという意味ではないのです。
フリーってどういう意味なのかや利用規約を読む必要性を解説します。
「フリー」ってどういう意味
フリー素材には、「個人・企業・商用何にでも使えるが有料」であるものや、「著作権フリーといって、著作権を放棄して完全に自由に使える、もしくは、利用規約の範囲内で自由に使える」もの、「利用規約に従えば無料で使えるもの」などがあります。
フリー素材というだけでは、用途の制限も、無料か有料かさえもわかりません。
フリー素材と書いてあるので使用していたら使用料を請求された……ということや、実は商用には使っちゃいけなかったので作った製品やチラシを全て破棄することになってしまった……なんて事例もあるのです。
利用規約は特記事項まで読むこと
イラストの使用だけに限らず、アプリケーションの使用などには利用規約への同意が求められることがしばしばです。
冗長なまでの利用規約は、読まない方の方が圧倒的に多いというのが実情です。イギリスのPurpleが行った調査では、なんと2万人以上のうち1人しか利用規約をきちんと読んでいなかったのではないかという結果が出ています。
PurpleはWi-Fiを提供する際の規約にトイレ掃除を課すなどの冗談を盛り込み、それに気が付いて連絡をすれば景品を出すと書いていました。しかし、多くのユーザーが「利用規約に同意した」にも関わらず、たった1名しか連絡してこなかったのです。
しかし、日本より訴訟の多い海外では、2割程度の人が利用規約を読まないために損害を被っています。契約期間が定められていて長い間加入していないといけなくなったり、契約を破棄する際の違約金が高額であったりと、いろいろなパターンがありますた。料金を請求されたり、裁判になってしまったりすると、利用規約を読んでいなかったでは済ませられないのです……。
企業、サービス提供側も利用規約を読ませる努力をするべき
利用規約を読まなかった際に不利益を被るのは消費者だけではありません。提供側も利用規約の違反によってサービスを終了させるしかなくなることもあるのです。
あるサービスに脆弱性があり、消費者がそれを利用して不正利用を行っていました。利用規約ではそういった行為はしないようにと警告されていたのですが、利用者は読んでいなかったそうです。結果、企業は被害への対応はもちろん、サービスそのものを終了させることになってしまいました。
このケースの場合は脆弱性があったことがそもそもの問題ではありますが、もし利用規約を読んでいたら思いとどまることができたかもしれません。
また、他のパターンですと、フリー素材のモデルさんの写真がモデルさんの名誉を棄損したり公序良俗に反するコンテンツに使用されているなんてこともあります。そうなると、モデルさんへの補償はもちろん、裁判などになってしまえば対応に時間と人員を割くことになります。
こうしたことから、企業側も利用規約をできるだけきちんと読んでもらう必要性を重視し、読みやすい規約やUIを考える必要があるのです。
まとめ
著作権の保護に関しては、貿易協定で国際基準となり、日本でも海外と同じように厳しくなっていく傾向にあります。フリー素材は利用規約をきちんと読んで使わせていただきましょう。